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気まま夢日和

漫画・音楽・小説・スポーツ・料理etc...      やりたいことはぜんぶやる!!

宇宙と向き合う。自分と向き合う。『プラネテス』。そして、愛と向き合う。

漫画

プラネテス

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作者:幸村誠

巻数:全4巻

掲載:モーニング

期間:1999~2004

出版:講談社

 

「……ああ ああそうか かんたんなことだったんだ

オレの宇宙はちっぽけだったんだ」。

 

どうも。宇宙旅行、してみたいですね。吉野シンゴです。

 

この2016年も終わりだというのに最後の最後に凄い漫画に出会ってしまった。

ただいま絶賛選考中の'このマンガがやばい 2016(仮)'の順位が変わってしまったじゃあないか。

プラネテス』。素晴らしい漫画でした。

 

ま、出会ったのは確か高2の頃だったんだけどね。

この『プラネテス』、ネットのオススメ漫画特集とかにたびたび登場してて、めっちゃ気になってたんですよ。

で、高2の頃。近所のブックオフで見つけたんです。¥100コーナーに1,2巻だけ。

あ、僕は基本的に¥100以下の漫画じゃないと買いませんからね。

1,2巻だけじゃあなあ…と思ってその場では買うのを見送りました。

後日、僕の高校の近くのブックオフに行ってみたら、またしても見つけました。¥100コーナーに1,3,4巻を。

よし!近所のブッコフと合わせれば全巻揃う!とウキウキしながら部活帰りの僕はその三冊を買って帰り、近所のブックに直行しました。

無かった。先日はあった『プラネテス』1,2巻が、無かった。売り切れ。さすがですね。

というわけで、そこから約2年間、第2巻が見つけられずに…というわけです。

ちなみに第2巻は夏休みに帰省した時に近所のブックオフで見つけました。

 

はい。読ませていただきました『プラネテス』。

こいつはすげえ。想像以上の面白さ。騒がれるのも納得。

 

 

「宇宙は 独りじゃ 広すぎるのに」。

 

今現在、人類は壮大な計画のもと宇宙を目指し新たな挑戦を繰り広げている。

プラネテス』の舞台はそんな現代から約60年後。2070年代から。

宇宙開発は飛躍的に進み、宇宙旅行さえ当たり前になった時代。

これまでは特殊な職業であった宇宙飛行士は、パイロットはもちろん、輸送業、建築業、さらには宇宙ゴミを回収するデブリ回収業など、多様多種な職に従事している。

 

宇宙が身近になった時代の”日常”

プラネテス』はこうした時代背景を踏まえて、リアリティあふれる宇宙を観るものに説得ある世界として描き上げています。

SF作品と聞くとイメージしがちなのが巨大ロボットだったりメカだったり、地球外生命体との攻防だったり…かもしれませんが、この作品にはそのような非日常的なものは一切でてきません。

そこにあるのは、宇宙が身近になった時代の”日常”。

あくまでも人類が生活している地球をベースに、その延長線上に構築された新たな生活空間としての宇宙を舞台にしているんです。

なんだろう、未来の”宇宙”ってこんななんだあって、リアリティが凄い。読んでてワクワクする。

なんでこんなにも宇宙をリアルに身近に感じてしまうんだろうか。

作者の未来の宇宙への描き込みがそうさせているのか。設定が素晴らしい。

やっぱり、宇宙って俺たちのロマンが詰まってんだよ。

 

「人間に限界なんて 絶対にねェ」

まず、主人公・八郎太(ハチマキ)がアツいヤツなんだ。

「行きてェーーッ!!

絶対必ずどうしても 人間のクズと呼ばれようと 最低と言われようと

前人未到の世界まで行ってやるぞ!

魂売るぜ

なにを引き換えにしても 全然かまわねーーっ!!

って腹の底から思えるなら 木星だって行けるぜ  本当だ」。

たとえそれが、どんなに困難なことだろうが。

「……上等だ 何もかも思い通りにしてやるぜェ」。このセリフ大好き。

 

宇宙開発の負の側面と向き合う

宇宙開発に反対するテロ集団'宇宙防衛戦線'。

彼らの言い分も分かってしまう。

宇宙開発が進んだことは何も良いことばかりではなく、開発格差・貧困・事故など様々な社会問題を引き連れていた。

こういう負の側面って物語では省かれがちですが、この『プラネテス』では真摯に向き合わされます。

それぞれの立場の人間が、それぞれ信念を持っている。

'宇宙防衛戦線'との攻防は、考えさせられることが多かった。

 

宇宙と向き合う 自分と向き合う

「……ああ ああそうか かんたんなことだったんだ
オレの宇宙はちっぽけだったんだ」。

宇宙というとんでもなく大きなものと真っ向から向き合うことで、

一番ちっぽけな自分に向き合い直すことになる。

「この世に 宇宙の一部じゃないものなんてないのか

オレですらつながっていて それではじめて宇宙なのか」。

この構図にグッときましたね。

 

そして、愛と向き合う

愛。この作品の最も大きなテーマでしょう。

「独りで生きて!一人で死ぬんだ!!オレ達は!!」。

ハチマキは夢に向かってがむしゃらに突き進むが、様々な壁にぶち当たることとなる。

「どうして……独りにしてくれないんだ……」。

そこで、気づかされる、愛。

ここはもう、読んでくれ。

「どこへ行っても 必ず 生きて帰ってこよう」。

 

 

熱くて、壮大で、綺麗で、とても良い漫画だった。

 

最後に、作者コメントにグッときたので紹介させてほしい。

第3巻のあとがきより。

だいぶ昔のニュースですが、10代の女の子が二人、「死ぬ理由はないけど生きている理由もない」という内容の遺書を遺してビルの上から飛び降りて死んだ、というのをTVで見ました。ときどきその子達のことを考えます。僕がもし、今まさに飛び降りんとするその二人と、フェンス越しに話をするチャンスに恵まれたとして、何を言えば、また何をしたら、二人は金網のこっちに戻ってきてくれるんだろうか。4コマ漫画の3コマ目までみせて、金網のこっちにきたら4コマ目を見せたげるー、という手はどうだろう。けっこーイケるんじゃないかしら。でも、スンゴク面白いやつじゃないと効果はないよなぁ。4コマ目で死ぬほど爆笑のオチがついて、彼女らの気分が変わって、元気になって、明日からまた学校に行けるようになるといいなぁ。そんな力を持った漫画が描けたら、バカ売れまちがいなしだしなぁ。描けるといいなぁ。

 幸村先生、応援しています。

 

「愛し合うことだけは  どうしてもやめられないんだ」。

 

<総評>92%
<オススメ度>★★★★★★

 

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